060 覘き小平次/京極夏彦

覘き小平次


アマゾンの説明より。

手前は陽炎の如く消えたくとも消えられず、無様に齢を重ねる廃者。薄膜一枚の紙風船。中はがらんどうで御座います―死んだように生きる幽霊役者と、生き乍ら死を望む女。襖戸の隙間からの目筋とこの上ない嫌悪とで繋がり続ける小平次とその妻・お塚。かれらを軸に語られるのは、生者たちの忿恚、悲歎、嗜慾、愛憎…当代随一の戯作者の手によって、山東京伝の名作怪談がいま、甦る。第16回山本周五郎賞受賞作品。



 この100冊読書にはまだ書いたことないはず。


てなわけで読了。おそらく3回目か4回目。
元となっている怪談話をまったく知らないので比較して楽しむとかはできないけど、
まぁおもしろい話です。
結局のところ小平次は何もしておらず、周りがわーわー言ってるだけなのだがそれでも読ませる内容なのは流石。
ちなみに同じ出版社から出てる「嗤う伊右衛門」は装丁も似てて、既存の話を基にしてるという共通点もあり
さらには展開も結構似てるところがあって読み比べてみると結構面白い。
どっちの作品にも巷説百物語シリーズの登場人物が出てきてそれもまた楽しい。
ちなみに伊右衛門では又市、小平次では治平が出てきます。


というか、俺の友達で好んで本を読む人達の大半が京極夏彦を敬遠してるので悲しい。
ここで声を大にして言いたいのだが、どうか装丁のおどろおどろしさや分厚さにだまされないで欲しい。
下手なほかの小説よりよっぽど分かりやすく読みやすいから。ホントに。