2冊まとめて。

死にぞこないの青
死にぞこないの青
posted with amazlet on 05.12.01
乙一
幻冬舎 (2001/10)
売り上げランキング: 6,422


日曜の夜は出たくない
倉知 淳
東京創元社 (1998/01)
売り上げランキング: 8,957



 「青」はあらすじを見て、敬遠してたんだけど今日ブックオフで見つけたので購入。そして読了。
作者自身があとがきで、「ミステリ的オチなど気にせず、書きたいように書いた」といったようなことを書いてるように、
本作は乙一の作品にしては珍しくミステリ的なアプローチがない。
叙述トリックフェチとしては、いつもの乙一的仕掛けがないのはちょっと残念だったけど、これはこれで面白かったですよ。
主人公のマサオくんとはちょっとシンクロするところがあるので、読んでてきつかったりもしましたが。
編集者に好きに書いていいと言われているのに、ちゃんと最後はキレイにまとめてるとこを見ると、やっぱり根はいい人なんだろうなぁと思う。
最後に出てきた新しい先生を、また羽田先生みたいな性格にすればホラーっぽく終わるのにね。そういうふうに持ってかないところが乙一らしくて好き。


 んで、mixiのコミュを覗いてたら猫丸先輩が割りに人気あるようだったので、懐かしくなって「日曜の〜」を読み返してみる。
猫丸先輩のキャラクターにはあんまり魅力を感じないけど、倉知淳の本格に対するこだわりは好き。
作中で犯人の動機にはほとんど触れられないのが良い。
「why done it?」は本格ではあんまり関係ないって暗に言ってる気がして小気味良い。
最後の2つの文章はおまけ程度に読んどけばいいんだろうね。
人によってはすごく蛇足に感じるだろうけど。