なんかふと思ったこと。

 ひと昔前、いわゆる「新本格」の人たち(あるいはその作品)をけなすとき、
批評家は「人間が描けていない」という言葉を多用した。
当時の俺は、こういう筋違いな批評がイヤだったし、今だってあまり好きではない。
でも、その頃好きだった作品の数々を今読み返してみると、
当時と同じ感想を抱けないのもまた事実なのである。
ぶっちゃけてしまうと、「人間が描けていない」というけなし文句に
ちょっとうなずいてしまう自分がいるのだ。
これは悲しいことだと思う。
性格や嗜好は日々変わっていくものだと思うけど、それでも。