039 燃えよ剣(上巻)/司馬遼太郎

燃えよ剣(上) (新潮文庫)
燃えよ剣 (上巻)


 そんなわけで燃えよ剣である。司馬遼太郎である。
正月に大河ドラマスペシャルを見たこともあって、ずいぶん昔に買ったままにしてたこの本を読む気になったのだ。
やはりドラマとは描かれ方が違う。
ドラマにおいて近藤勇は、主人公ということもあってひと言でいえば実直な人柄である。
幕府のためなら、どんな事も死すらも厭わないという武士よりも武士らしい人物として描かれている。
燃えよ剣でもやってることは変わらないのだが、こちらは土方が主人公ということもあってか、
近藤は若干愚鈍に描かれている。要所要所、締めるところは締めているのだが、普段は結構色んな人の意見に流されがちである。
ついでに女遊びも激しいと記述されている。
土方はただ新撰組を最強の喧嘩集団にしたいと考え、局内に思想を持ち込むことは新撰組にとってプラスにならないと考えている。
同じ時代の同じ人物達を描いても、書き手によってずいぶん変わるのである。どっちも面白いんだけど。
歴史文学なんて堅そうで、俺には無理かなーと思っていたが読んでみるとなかなか楽しい。
このまま下巻も読んでしまおう。